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3. ヒガラ [Parus ater]

ヒガラ

ボサボサ頭の可愛い奴

  真冬日の続く冬の季節、吹雪の合間に雲が切れて太陽がのぞくと、時々賑やかな混群が庭にやってきます。
  ピッピッとシジュウカラ [Parus major] 、ニィニィとヤマガラ [Parus varius] 、ジィジィとコガラ [Parus montanus] 、そしてチッチッとヒガラ [Parus ater] 。
  一瞬庭が賑わいます。

  面白いことに、カラ混群というのはけっしてみな同じ行動をとっているわけではないのです。
  真っ先に餌台にヒマワリの種が補充されているか確認にいくシジュウカラ。周囲を少し確認してから寄ってくるヤマガラ、広葉樹の実を探すコガラ、ヒガラは松ぼっくりを物色しています。
  団体でやってきて団体で立ち去りますが、お互い干渉せず、やってることはバラバラです。
  なぜ混群を形成するのかという理由には諸説があるようです。行動領域やパターンが少しづつ異なる種が一緒にいることで、外敵の発見が早くなる、という説も有力です。
  混群が突然激しく騒ぎ始め、一斉に薮の陰に隠れることがあります。我が家の庭では、そういう時に上空を見上げると、ハイタカ [Accipiter nisus] やハヤブサ [Falco peregrinus] の姿があります。

  鹿角、そして八幡平周辺はカラ類(シジュウカラ属 [Parus] )が目立つ地域です。
  一年中居るお馴染みの鳥たちなので、本州で見られる主なシジュウカラ属の鳥4種をまとめて、観察報告はあっさり「カラ類4種」で済まされたりします。
  省略しないで、ちゃんと名前で呼んでくださいよぉ。

  ヒガラはこの4種の中では最も小さな鳥です。
  冬には庭の松の木に来て松ぼっくりから種子を取り出して食べています。カラ4種の中では針葉樹を好む鳥です。

  繁殖期は子育てのために高カロリーの餌を必要として、基本的に動物食です。
  昆虫のいない冬季には種子食です。細くて強い嘴で器用に木の実の殻を割って種子を食べるようです。
  スズメなどは殻が割れないので、雑穀やイネ科の植物の小さな種子を丸呑みしますし、アトリ類はペンチのような嘴で殻ごと砕いてから殻だけ吐き出しますから、両足の間に木の実を1個挟んで「コツコツコツ」と叩いて割るカラ類の食べ方はお行儀が良くて、なかなか可愛いです。

  鹿角では里山、山麓のスギやアカマツの林から、八幡平では中腹のコメツガ、オオシラビソ、ゴヨウマツやモミの樹林に多くなります。
  春から初夏にかけて針葉樹の森を歩くと、ツピツピツピツピと囀りが聞こえてきます。スギやアカマツ・カラマツの林の中では特に多く思われます。
  シジュウカラもツピツピツピと鳴くことがありますが、ヒガラの方がより高音で速いピッチです。

  でも、深い林の中ではなかなか姿は見られませんから、もうちょっと上に歩いていってみましょうか。
  5月の良く晴れた日、ブナが僅かに芽吹き始めた頃、八幡平大沼レークインの前から付近のブナ・ミズナラの林をザクザクと残雪を踏んで歩いていくと、頭上の賑やかな合唱に出会うことがあります。雪の上に寝転んで天を見上げると、コガラとヒガラの混群の大群舞が見えました。芽吹き直前のブナ林は青空がすっきりと透けて見えて、ブナ・ミズナラやオオシラビソなとの梢付近を忙しく飛び回るコガラとヒガラが一度に数十羽眼に飛び込んできました。
  春の雪山の至福の時です。

  他のカラ類とは少し異なり、雪の上にも度々降りてきますので、じっと待っていると間近で見ることもできます。動かずに我慢して待っていると傍まで寄ってきてくれました。

  特徴は薄茶色がかったお腹、そして、いつも寝起きのようなボサボサのヘアスタイルですね。

[ print ] [ full width ] revision 1.4   2014/04/14 (2014/03/03初稿)

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